うつ病の疑いがあるときには
うつ病には明らかな症状というものがありませんから、もし自分自身でうつ病かもしれないと思ったら、まずはうつ病だと思われる症状が続いている期間を考えてみましょう。うつ病の症状(とくに精神的な症状)が一時的に発症することは、意外とよくあります。
ちょっとした気の沈みや落ち込むことは日常生活のなかでもよくあることです。
しかしこれらの症状が2週間以上継続している場合にはうつ病の可能性が高いです。
そのような場合はうつ病の専門医に相談してみることをお勧めします。
軽いうつ病の症状のうちに専門医に相談することで症状が悪化するまえにうつ病治療ができますし、相談できる人がいて安心できることがうつ病の改善には大切なことです。
医師に相談することを避けたいと思うことがうつ病の特徴ですし、そう思ったのであれば医師に相談することがより大切でしょう。
診断を受けてうつ病ではなかったとしたら心配ごとがひとつなくなるわけですから、どちらにしても気軽に相談できる専門医の診断を受けてみることです。
精神科というのは行きにくいところだとは思いますが、本当にうつ病になっているのであれば専門の医師ほど頼りになる相手はいません。
うつ病かもしれないと思ったら、ぜひうつ病の専門医に相談してみるべきだと私は思います。
薬物によるうつ病の治療
うつ病の治療の方法には、まず休養が大切です。そして休養と共にうつ病の治療の基本になるのが薬物による治療なのですが、薬物によるうつ病の治療にはどのような薬を使用するのでしょう。
うつ病の研究が進んだ現在では、うつ病は脳内で神経伝達を行なう機能が正常に働いていない状態だと考えられています。
この「神経伝達を行なう機能」が異常な状態になっていることで、正常な感情や思考ができなくなるのがうつ病の状態です。
なので、この脳内の障害を薬によって改善するのが薬物によるうつ病の治療なのです。
うつ病の治療に用いられる薬を抗うつ薬といいます。
うつ病に治療に用いられる抗うつ薬は、三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの様々な種類があります。
うつ病の治療に薬物が用いられるようになった最初のころは主に三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬が使われていたのですが、研究がすすむにつれてSSRIやSNRIなどのより副作用の少ない種類の抗うつ薬が開発されました。
三環系抗うつ薬にはイミプラミン、トリミプラミン、アミトリプチリンなどがあります。
SSRIにはパロキセチン、フルボキサミンなど、そのほかにもトラゾドン、スルピリドなどの抗うつ薬を用いてうつ病を改善します。